2030 デジタルクローンが、肉体の死後に知的活動をし続ける

デジタルクローンが、肉体の死後に知的活動をし続ける

No:22-D
制作年:2022年

「あなたの肉体が死んだ時、そのまま死ぬ?デジタルクローンとして生きていく?」
生前に皆が問われる時代に。

このテーマの読み解き方

  • Q あなたはデジタルクローンになりたい?
  • Q いつデジタルクローンがいると嬉しい?
  • Q どうなった時、本当に人は「死ぬ」の?

KIZASHIシナリオ

デジタルクローンが、肉体の死後に知的活動をし続ける

デジタルクローン技術の発展により、人はデジタル空間に人格を持ち、その人の死後もその人として様々な形で知的活動を行うことが可能となる。

サービスのパーソナライズ化が進んだ結果、デジタル空間には個人の身体情報や思考・行動などあらゆる情報が集まるように。その集合体をデジタルクローンとして、デジタル世界で活動させることが可能となる。
デジタルクローンは、デジタルの世界の中で、様々な人生をシミュレーションさせることができる。この仕組みを用いて、人々は教育機関・住む場所・働く先・結婚・生死に影響する医療行為等、人生の岐路の選択をデジタルクローンによるシミュレーションし、その結果を参考に選択を行うようになる。その結果、満足度の高い人生を送り、望む人生の終わり方を迎えられる人が増える。

死後にデジタルクローンを「残す」「残さない」については、生前に選ぶことができる。デジタルクローンを「残す」とした場合、人生のどのタイミングでのデジタルクローンを存在させるかについても選ぶことができる。
死後も心としてのデジタルクローンは生き続け、周囲の人にメッセージを送ったり、会話することが可能となる。生前に望めば、デジタルクローンは現実の人型ロボットとして再現でき、残された人の死の悲しみを和らげることもできる。

デジタルクローンの活用は、産業も一変させる。歴史上の偉人や偉大な発明家等の思考も再現できるため、デジタルクローンを用いた価値創出方法に注目が集まる。人材の育成にもデジタルクローンは活用され、生きた人間とデジタルクローンの共存方法を多くの組織で考えるようになる。

他方で、「生き続けてしまう」デジタルクローンの人権をどう守るのか、いつデジタルクローンは死ぬのかについて、論議が巻き起こる。