人間性の可視化により、自分で成長ストーリーが描けるようになる
No:23-E
制作年:2023年
個人の才能や資質が数値で見えるようになり、成長の道筋をシミュレーションできるようになる。
自分の欠点を効率的に伸ばすことが可能になる一方で、自分はどうありたいかという理念が重要になる。
- あなたは、何をやりたいの?どうありたいの?
- あなたは、自分のことどのくらい見えていますか?
- 自分のポテンシャルが見えるとしたら、人生をどう生きますか?
生まれつきの才能、例えば知性、体力、社交性、論理性、コミュニケーション能力などの個人の資質が数値化され、だれでもデータを活用できるようになる。これらのデータは、データベースに蓄積され、入学や就職、転職、結婚といった人生の様々な節目で活用される。
高校二年生の授業を想像してみよう。
成績表のような形で各生徒に「マイデータ」が配布される。社交性や論理的思考、粘り強さといった指標が、各生徒が持つスキルや能力として数値で示されるのだ。
例えば、医師を目指すAさん。
彼女は自身の共感力を伸ばすため、AIが主導する教養の授業だけでなく、マンツーマンの道徳のレッスンを受け、ボランティア活動にも参加する。同じ領域で活躍する人々のデータを閲覧し、自分が改善すべき点を知ることで、モチベーションを高め、より早く目標に近づくことが可能となる。日常の行動のライフログもデータ化されているため、自分自身も気づかない無意識の行動かや指向に気づくこともできる。
自分自身の資質がデータ化されることで、自己の欠点を把握し、それを効率的に補える。
しかし、同時に自分がどのようにあるべきかを真剣に向き合うことが求められるようになる。
個人の資質とは、生まれながらにして持つ微妙で複雑な性質である。
そのため、その利用方法は法律で規定される。個人が自身のデータの閲覧権限、利用用途を管理する必要もでてくるだろう。データの収集、保存、利用、共有に関する明確なルールが設けられ、差別、偏見、不公正な扱いを防ぐため、特定の個人やグループを不利にするような利用は禁じられている。
データの収集と解析のプロセスは正確で透明性が保たれ、個人が自身のデータを確認し、必要に応じて修正する権利は保障されている。
また、子供のデータ利用には親の同意が必要で、子供自身が自分のデータについて理解するための重要な道徳や倫理の教育は人間の教師から受けることとなる。一方、国語や算数などの教育はAIが担当する。
この社会では、データを活用して自己理解を深め、成長を促進することが可能となるのである。